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整骨院運営【連載コラム】あなたにもきっとできる!【マーケティング】実践講座「その2」

自分とは関係ないと思われがちなのが、「マーケティング」なのです。

あなたもそう感じていませんでしたか?柔整業界の規制緩和から約20年経った、治療院乱立の時代だからこそマーケティングを

マーケティングは非常に単純。その前に、あなたの考え・夢を掲げましょう!理想なきところにマーケティングは活かせません!

ケイズ会員マーケティング
専属講師 豊島 猛利
Improve代表。船井総合研究所在籍中、日本で初めて治療院コンサルティングをお披露目する。退社後、整骨院グループにて3年間で1億4千万円から2億8千万円にした実績もある。

たかが、「コンセプト」されどコンセプト
整骨院などのホームページのトップページなどをみていますと、コンセプトを打ち出しているところがあります。
例えば、「当院のコンセプトは、施術は当然ですが、歪みの原因となるストレスの緩和、心の問題、カウンセリングやヒーリング技術で総合的に元気になってもらう事です」というのが、あったとします。
「確かに現代社会にはストレスが多い、それで心から来ている症状も多いかもなぁ」「心も癒してくれるそんな整体院があってもいい」こう思ってはいけません。
多くの治療家は腕に自信があって、患者様を治して、楽にしてあげることが仕事であり生きがいだと思います。
そして、独立すると雇われ時代に描いていた自分の城を手にしてその中で自分の思い通りのコンセプトで治療院経営をしています。
それぞれの治療家がそれぞれの考えのもと、独自の治療、手技を開発したり、独自のほかのエッセンスを取り入れ自分のコンセプトにあった治療院を作り上げます。
当然、自分のコンセプトが最高だ、自分のコンセプトは「どんな患者さんもわかってくれる!」「これが伝われば繁盛して、地域一番になれるはずだ!」と、思っている方たちが本当に多いです。
自分の治療院のコンセプトと技術が地域の見込客に受け入れられて、患者様が喜んで、友人、知人を紹介してくれる・・・
もちろん、そのコンセプトが実際にその地域の住民に受け入れられて大繁盛しているならば、それはそれで、成功です。
しかし、実際に顧客視点に立っていない、時流、ニーズに沿っていないコンセプトを掲げている治療院はうまくいってないケースが多いのです。
コンセプトには2つの落とし穴があるからです。
1)そのコンセプトが時流や市場のニーズとズレている場合
これは実際によく起こっています。どうしても治療家さんというのは、技術一辺倒になりがちで、患者様の視線で自分の治療院を客観視できないケースがあるからです。
つまり、自分ではよいと思っているコンセプトもお客様が望んでいないということです。
当院のコンセプトは○○です。○○を理解してくれる患者様がたくさんほしいし、そのコンセプトのまま繁盛するのが最善です。
でも、お客様が求めるコンセプトとズレが生じている場合は、まったくもって選ばれることがありません。
コンセプト作りは自分のこだわりよりも顧客視点の望むコンセプトに合わせていく事が重要なのです。
正直な話ですが、自分なりのコンセプトを作りだすよりも、既に繁盛している治療院を研究してそのコンセプトを真似して自分流に少しずつアレンジしていくほうがいいと思います。
自分のこだわりからコンセプトを作るのではなく、既に受け入れられているコンセプトを徹底的にパクって(TPP)、少しづつオリジナルを入れていく事が重要です。
2)コンセプトは「伝えなければならない」ということ
次の問題として多いのが、コンセプトや自分のこだわりが強すぎて、それを伝えることをおろそかにしてしまうことです。
コンセプトとは「あり方」です。存在価値をお客様、競合に知っていただくのです。つまり地域住民、既存客、競合に自分は「こうする」と宣言するのです。
しかし「コンセプトが大切だ!」という事で、積極的に仕組み活動をしていかないケースが多く、結局は「まだ治療技術が足りない」とか「もっと独自のコンセプトを・・・」と逃げに入ってしまうことです。
「まだ治療技術が・・・コンセプトが・・・」とかいっている暇があったら、ホームページを作ったり、チラシを配布したりしたほうが、よっぽどマシではないかと思います。
結局、コンセプトや治療技術など自分が得意で、好きなものに傾倒して、認知、集客活動や販促活動をおろそかにしているのです。
大切な事はコンセプトが優れているかどうかよりも、それを伝えることを最優先するということです。
【内側ばかり見るな、外を見ろ!】
そのあなたのコンセプトはたくさんの人に見てもらわなければ意味がない事に気づきましょう。
まとめますと、
❶コンセプトはお客様が求めるものなのか考える繁盛しているところのコンセプトを真似て、自分の言葉で作ったほうが早い。
❷どんなコンセプトも広めないと意味がない認知・集客活動を最優先しましょう。
(文責:豊島 猛利)(K`s Magazine7月号より転載)

整骨院運営【連載コラム】あなたにもきっとできる!【マーケティング】実践講座「その1」

自分とは関係ないと思われがちなのが、「マーケティング」なのです。

あなたもそう感じていませんでしたか?柔整業界の規制緩和から約20年経った、治療院乱立の時代だからこそマーケティングを

マーケティングは非常に単純。その前に、あなたの考え・夢を掲げましょう!理想なきところにマーケティングは活かせません!

ケイズ会員マーケティング
専属講師 豊島 猛利
Improve代表。船井総合研究所在籍中、日本で初めて治療院コンサルティングをお披露目する。退社後、整骨院グループにて3年間で1億4千万円から2億8千万円にした実績もある。

「理念」と「ビジョン」の違いを理解する
意外とこの「理念」と「ビジョン」を一色に同じだと思ってしまう方が多いです。
経営理念とビジョンの違いをはっきりさせることからスタートしていきます。
経営理念は「考え方」で、ビジョンを「夢」と表現すると違いが少しご理解いただけますでしょうか?
経営理念が「考え方」と理解するなら、「経営の根幹に対する深い考え方」ともう少し付け加えたいと思います。
なぜならば「考え方」というだけでは、人によっては毎日変わる考え方もありますが、経営理念は一度、決まれば、そう簡単に変わるものではないからです。
企業によっては、経営理念を「社是」と呼び、300年以上も「経営理念」が変わっていない老舗企業が、あるほどです。それほど、深い考え方なのです。
一方、ビジョンは社長、オーナー、経営者の「夢」にあたるものです。経営者が会社をどのような状態にしたいのか、経営者の会社の「あるべき姿」を表現したものと言えます。
ですから経営者はビジョンを見るだけで「ワクワク」したり「やる気」が上がるのです。もしそうでないとしたら、そのビジョンは本物ではないのかもしれません。
これら経営理念とビジョンは経営に携わっている人間には最も重要な経営課題であると考えられます。
なぜ課題かと言うと、この両方ともつくった段階では、仮説でしかないのです。
実際には実現に至っていないことなのです。よって、経営理念やビジョンが決まって、初めてこれを浸透や共有させることが課題となり、実現することが経営の最重要課題になるのです。
経営者は、この違いを明確にし、意志決定を急ぐ必要があります。意志決定ができれば、あとは経営理念の浸透方法を試行錯誤しながら実践し、経営ビジョンの共有方法についても同様に実践していくのです。
あなたが、経営理念とビジョンの違いを明確に理解し、位置づけの違いをも明確になったとしても、それだけではうまくいきません。
これは重要ですので、ここで書きますが、「中期経営計画」は全社員、スタッフの協力なくして実現することは不可能です。
そこで、社員、スタッフ全員にも経営目的とも呼ばれる「経営理念」「ビジョン」の違いをわかりやすく説明することが重要になります。
経営理念とビジョンの意味や位置づけをレクチャーする内容をこれからお伝えします。
そこで、草花をイメージしていただき、その草花が花を咲かせている状態を頭にイメージします。まず創業者(あなた)は、根を生やすために土壌のよい「場所」(業界)を選定します。
そこに「種」(あなたの人生観・経営観という価値観)を植えます。そして水をやり育てますが、その際にあなたはその種が将来どんな花を咲かせるかを明確にイメージして育てていきます。
その「花」となるのが「ビジョン」にあたります。このビジョンという「花」を咲かせるために一生懸命に「種」を育てます。
すると「根」が生えてきます。高くて大きな花を咲かせるなら、「根」は多ければ多いほど良いのです。その根が「社員」なのです。短い根よりも長い根、細い根よりも太い根が必要です。創業者は種から根をたくさんつけて芽を伸ばし、やがて「葉」(事業)がいくつも生えてきて立派な「幹」ができあがります。この幹を「経営理念」と呼びます。
「種」(価値観)と「幹」(経営理念)は、微妙に違います。
価値観はあなたの生き様が凝縮された言葉です。幹たる経営理念は花を咲かせるために「種」を基盤として「太陽」(お客様)からのエネルギーを吸収する上での考え方を進化させる必要があるのです。
もちろん種(あなたの価値観)のまま、幹になる場合もありますが、それは「花」次第であろうと思います。「花」があなた一人の根で十分ならば、太くて長い幹は不必要でしょう。もし、「花」が高いところに大きなものを咲かせたいのなら、根をたくさん増やし太陽から大量のエネルギ―(お金・満足感)を吸収する必要があります。そのためには、個人の価値観から組織の価値観つまり経営理念にしなければならないのです。
経営理念は、「根」である社員からと「太陽」であるお客様から支持されるものでなければならないのです。ですから、あなたの個人の考え方をそのままに登用することは少なく、その価値観をベースに作成しましょう。
以上のように「幹」が経営理念、「花」が経営ビジョンであると会議、研修の際には説明しましょう。この説明でほとんどのスタッフの方々が理解を示していただけると思います。ぜひとも、経営理念・ビジョンの意味の違いと位置づけの違いを全スタッフに理解していただきましょう。
もちろん、あなた自身が納得のいく経営理念・ビジョンの存在が絶対不可欠であることは間違いありません。
またあなたの理念、ビジョンを浸透させるには、どれだけ教育に投資しなければ、浸透しません。
そして、次に経営者の仕事はマーケティング(戦略)の第一段階を実施します。
今回の「実践マーケティング」まとめ
経営理念は「考え方」。ビジョンは「夢」。
理念・ビジョンの浸透実現が重要課題。
経営理念とビジョンの意味や位置づけをレクチャーするイメージは「場所」「種」「幹」「花」「根」「太陽」。
理念・ビジョンを浸透させるには、教育の投資は不可欠。
(K`s Magazine6月号より転載)

整骨院運営【連載コラム】整骨院の会計・税務の特徴「その2」

高瀬 智亨 たかせ のりゆき
2009年に出版した「成功する治療院経営バイブル」は発刊から第6刷を超え、2012年に改訂版が出版されると総部数も1万部を超える。

皆さん、こんにちは。
税理士法人フォルテシア代表社員の高瀬智亨です。
前回は、「会計に出てくる名前(勘定科目)を知ろう、という事で『収入』の代表的な名前を、お伝えしました。
重要なので復習です。
①保険窓口収入(窓口で患者からもらう保険負担分の入金)
②自費窓口収入(窓口で患者からもらう保険負担分以外の入金)
③保険振込収入(保険者から保険請求額が、普通預金に振り込まれた入金)
④自賠責保険収入(損害保険会社から自賠責保険が振り込まれた入金)
⑤雑収入(整骨院の売上とは関係の無い入金)
今月は、「会計に出てくる名前(勘定科目)を知ろう、という事で『支出』の代表的な名前を、お伝えします。
この「支出」には、借入金の返済のように必要経費にならない支出もありますが、今回お伝えするのは、「必要経費」になる支出です。
会計に出てくる名前(勘定科目)と内容を知ってもらいたいのです。
それは、整骨院を経営する上で、とても重要な事なのです(理由は後でお伝えします)。
ちょっと多いですが、今は何となくわかる程度で十分です。
・衛生材料費(シップ・包帯・超  音波ゼリー・アルコール等)
・専従者給与(妻や子供に支払った給与で予め届け出ている給料手当、賞与、現物支給した費用)
・福利厚生費(従業員との慰安旅行・飲食代等)
・外注費(施術を個人や会社に業務委託している場合の費用)
・広告宣伝費(雑誌等の広告料、折込チラシ、看板の費用等)
・運賃(レセプト発送に要した宅配便代)
・衛生管理費(洗剤、クリーニング代、白衣、ダスキン、廃棄物処理代等)
・水道光熱費(事業用に使用した水道料、電気・ガス代)
・車両関連費(ガソリン代、車検代等)
・消耗品費(事務用品や器具備品 のうち10万円未満のもの
・リース料(リースを組んだ場合の支出等)
・支払保険料(治療院にかけている損害保険料や賠償責任保険料等)
・修繕費(事業用の建物や機械器具などの修繕費)
・租税公課(事業税、固定資産税、償却資産税等)
・接待交際費(取引先との飲食費 や贈答費用等)
・旅費交通費(総会や学会、研修会のための交通費、宿泊代、高速代等)
・通信費(事業用のハガキ・切手・郵送代金・電話代等)
・支払手数料(協会への手数料、振込手数料やその他の手数料等)
・諸会費(協会年会費・月会費、自治会費、組合費等)
・地代家賃(治療院の建物や駐車場を借りている場合の地代家賃)
・図書教育費(院内の新聞・雑誌、研究図書、テキスト代研修費等)
・雑費(前記以外の必要経費)
以上の「収入」と「支出の内、必要経費」の名前をお伝えしました。
そして、この名前を知ることが、整骨院経営にとても重要であることをお話しします。
整骨院の経営を続けるには、儲かっていないと続きません。
儲かるとは、収入から必要経費を引いたものが「プラス(黒字)」である必要があります。でも一時的な赤字(収入−必要経費=マイナス【赤字】)ならOKです。1年間で黒字にすれば良いからです。
次回は、「儲かる為の会計」のお話を致します。(K`s Magazine7月号より転載)
(税理士 高瀬智亨)

整骨院運営【連載コラム】整骨院の会計・税務の特徴「その1」

高瀬 智亨 たかせ のりゆき
2009年に出版した「成功する治療院経営バイブル」は発刊から第6刷を超え、2012年に改訂版が出版されると総部数も1万部を超える。

こんにちは。税理士法人フォルテシアの税理士 高瀬智亨です。私たちは、治療院業界に特化した税理士事務所として、全国で300を超える治療院をサポートしております。
代表の高瀬智亨が、2009年に出版した「成功する治療院経営バイブル」は発刊から第6刷を超え、2012年に改訂版が出版されると総部数も1万部を超えました。将来、接骨院開業を考えておられる方から既に接骨院を経営されている方まで、多くの方に支持されていると痛感しています。誠にありがとうございます。
ミッションは、「私たちは、『治療院』という事業を成功させるノウハウの提供を通じて、治療院業界と経営者の皆さまに貢献したいと強く思っております。
「K’s Magazine」で、「整骨院の会計・税務」をお伝えする事ができ、望外の喜びです。
私は整骨院に特化をした会計事務所を経営してまして、12年が経過しました。その間、300院以上の開業相談を受け、現在も350院の顧問先に会計、税務だけでなく融資、経営計画、指導監査等の支援をしています。この間、様々な問題、トラブルを目の当たりにしてきました。
私が経営する税理士法人フォルテシアの経営理念は、「スタッフの物心両面の幸福とクライアントの成長・成功を支援する」事です。今回、「K’s Magazine」の紙面で、私が経験した様々な問題やトラブルを基に、読者の整骨院経営者が成長・成功されるように、お伝えしていきたいのです。
是非、楽しく経営の勉強をして頂ければ幸いです。
先ずは、施術や東洋医学の勉強をされてきた柔道整復師が、「整骨院」を経営する時に意識して欲しい事が3つあります。
1.整骨院を経営する上で、「目標」をハッキリさせる事。
多店舗を目指すのか?単価の高い整骨院を目指すのか?多角化(エステ、介護等)を目指すのかを早い時期にハッキリさせた方が経営上軌道に乗りやすいのです。
『経営は逆算』と言われています。「目標」や「ビジョン」を明確にし、院全員で目指す努力は院成長に不可欠な要素なのです。
2.「経営」の研修等でモチベーションを維持する事
「技術」の研修には積極的に参加される院が多いのですが、「経営」や「お金」等の研修には参加しようとする院は極端に少ないのです。しかし、「経営」や「お金」を意識しないと、経営もお金も厳しくなっていく確率が高いのです。また、「経営」の勉強会に参加されている院は、経営の意識が高い人が多く、その方々からの影響は院経営に有効です。
3.会計を意識する事
1年間、院を経営していった結果が、数字(会計)に表せます。その現実を真摯に受け止めるべきなのです。「銀行に儲かっている事を知らせるために、決算時に経費を除くケース」があります。これは後日、必ずぼろが出ます逆に「税金を支払いたくない為に中古の外車を購入」するケースがあります。これは資金ショートを起こす原因なのです。
今回「K’s Magazine」では、上記の「整骨院を経営する時に必要な3つの事」を意識して「会計」と「税務」を中心にお伝えします。
1.会計に出てくる名前(勘定科目)を知ろう(収入)!
①患者(お客様)から会計で現金を頂いた時
保険負担金分・・・「保険窓口収入」
自費(実費)分・・・「自費窓口収入」
②保険者から保険請求額が振り込まれた時
普通預金に入金された時点・・・「保険振込収入」
③損害保険会社から自賠責保険が振り込まれた時
普通預金に入金された時点・・・「自賠責保険収入」
④整骨院の売上とは関係のない「収入」が入金された時
例えば、『還付金』、『スタッフから受取る家賃負担金』、『受付の現金と帳簿の金額が合わない差異の過剰分(現金>帳簿)』等・・・「雑収入」
まとめ:整骨院の収入で、覚えておくべき「勘定科目」5つ
「保険窓口収入」、「自費窓口収入」、「保険振込収入」、「自賠責保険収入」、「雑収入」
次回の「治療院の会計・税務の特徴」は、この「費用の勘定科目」についてお話しさせていただきます。(K`s Magazine6月号より転載)
(税理士 高瀬智亨)

整骨院運営【連載コラム】個別指導にならないために「その2」

立証資料を意識した隙のない対策を!

三谷 淳 みたに じゅん
未来創造弁護士法人 代表弁護士
日本一裁判しない弁護士
ケイズグループ顧問弁護士

皆さん、こんにちは!
未来創造弁護士法人 弁護士の三谷淳です。
今回は、『個別指導にならないために』の第2回目として、個別指導にならないためには具体的にどのようなポイントに気を付ければ良いのかを見ていきましょう。
1 個別指導になる院の特徴?
私達は仕事柄、個別指導に入られてしまった院からのご相談や、保険者から照会を受けた院からのご相談に接する機会多くあります。
そのようなご相談を多く受ける中で、保険者からの照会や厚生局による個別指導の対象になってしまう院には、一定の特徴があるように感じています。
どれか一つにあてはまれば照会や個別指導の対象となる、というわけではありませんが、これらの項目が重なれば重なるほど、照会や個別指導のリスクが高まると言えるでしょう。
あらぬ疑いをかけられないために、ご自身にあてはまる項目がないかどうか、チェックしてみることをお勧めします。
【リスクチェックシート】
□施設規模に比してレセプト枚数が非常に多く、その理由をキチンと説明できない
□遠方からの患者が多く、その理由をキチンと説明できない
□規則的な来院が長期にわたって続いており、その理由をキチンと説明できない
□初診時に患者から問診票を書いてもらっていない
□問診票をもらっているが、患者の署名をもらっていない
□患者の健康保険証のチェックを忘れたり、遅れることがある
□受領委任にかかる患者の署名をもらい忘れることがある
□領収書の発行が遅れてしまうことがある
□事務作業が遅れがちで、後日、記憶をたどりながら来院日に丸を付けていることがある
□来院簿を付けていない
□来院簿に患者の自筆の署名をもらっていない
・・・皆様はいくつの項目にあてはまったでしょうか?
3つ以上の項目にあてはまるという方は、保険者からの照会の対象になりやすく、また、照会があった際にキチンとした説明や証明ができない可能性が大きいといえるでしょう。
2 具体的な対策方法とは?
では、個別指導にならないためには、具体的にはどのような対策をとるべきでしょうか。
私達からは、次の3つの方法をご提案させていただいています。
【個別指導対策のポイント】
①自筆の問診票作成を徹底する
まず、初診で保険治療を開始する際に、自筆の問診票を初検の都度書いてもらうことをお勧めしています。(弊所の顧問先の皆様には、「理想の問診票」をお渡しして、導入を促しています。)
保険者から照会を受けたり、個別指導を受けたりしたときに、患者さんがどのような症状を申告し、どのような治療を希望したのかということを後から証明するのは、実は容易ではありません。
急性・亜急性・慢性の判断をどのような申告に基づいて行ったのか、当時のことを明確に証明するための資料として、自筆の問診票は強力な立証資料になります。
②自筆の来院簿作成を徹底する
次に、初検の際に自筆の問診票を書いてもらうとともに、その後の後療のための来院の都度、患者さんの自筆で、来院簿にサインをしてもらうことをお勧めしています。
保険者や厚生局からは、「本当に患者が来た分についてのみ保険請求をしているのか?」という点について、きちんとした説明を求められます。
その際、来院簿を付けていない院では、本当に患者が来院したことの証明をすることが難しく、疑いを晴らすための決定的な資料がないまま、あらぬ疑いをかけられたままとなってしまうことも少なくありません。
照会や個別指導から身を守るためには、患者さんの自筆による来院簿が強力な立証資料になります。
なお、問診票も来院簿も、患者の自筆をその都度求めるよう徹底し、「後から足さない・引かない」ということを、徹底して行うことが重要です。
もし、署名をもらい忘れたからといって、後から書き足したり、記載間違いを後から消したりしてしまうと、証拠としての価値はほとんど失われてしまいます。
そればかりか、後から改ざんを加えた疑いまでかけられるおそれもあり、悪い印象を与えてしまうことにもなりかねません。
自筆でその都度サインをもらうということを徹底できないのであれば、むしろ「来院簿はつけていません」と言った方が良いくらいです。
このような点には気を付けながら、是非、自筆の問診票・自筆の来院簿を導入されることをお勧めします。
③事務作業の遅れを最小限に!
最後に、事務作業の遅れを徹底的に排除することが、照会・個別指導に至らないためにできうる最も有効な対策法といえます。
私共の経験では、事務作業の遅れ→客観的事実と矛盾する請求が発生→照会・個別指導というパターンがかなりの数みられます。
カルテの入力・記載、領収書の作成・発行、レセプトの発行・請求、保険証の確認、受領委任の署名の徴収…などなど、施術以外にやらなければいけない事務作業は多岐にわたりますが、後回しにすればするほど、矛盾を生じ照会を受けるリスクは高まっていきます。
日々その意識・危機感をもって業務に当たり、遅れがちの場合には、事務担当を雇うなど、手当てを行うことが急務といえます。
いずれも、地道な方法に見えるかもしれませんが、これを泥臭く徹底することが重要です。
(次回予告)
次号のケイズマガジンでは、「損保会社と対等に渡り合うには?」と題して、交通事故案件における損保会社への対応方法を伝授いたします!(K`s Magazine6月号より転載)
(弁護士 三谷 淳)

整骨院運営【連載コラム】個別指導にならないために「その1」

立証資料を意識した隙のない対策を!

三谷 淳 みたに じゅん
未来創造弁護士法人 代表弁護士
日本一裁判しない弁護士
ケイズグループ顧問弁護士

皆さん、はじめまして!
未来創造弁護士法人 弁護士の三谷淳と申します。
弊法人では、接骨院業界に特化した顧問弁護士サービスをご提供しており、全国の治療院様からご契約いただき、経営のサポートをさせていただいています!
接骨院業界は制度の運用に流動的・あいまいな部分が多く、また、一部の人による不正が取り上げられることによって、多くの真面目に経営をされている治療院のイメージまでもが低下してしまっているという現状があります。
私たちは、そのような逆境にある柔道整復師の皆様を法的な面からサポートしたいという思いで、全力でお手伝いをさせていただいております。
本コラムの初回は、「個別指導にならないために」と銘打って、
①この4月からの制度改正によって何が変わるのか、
②個別指導にならないためにはどのように対策をすべきかを、2回にわたってお伝えしていきます!
1 個別指導の恐怖
「いつか自分の院も個別指導・監査に入られるのではないか?」
接骨院・整骨院を経営されている皆さんは、このような不安を抱えられている方が多いのではないでしょうか?
「うちの院はしっかりやっているから大丈夫!」
そのような考えをお持ちの方も、4月からの制度改正対策は万全でしょうか?
ご存知の通り、平成29年の2月に、柔道整復師に対する審査・指導の制度運用の方法を改正することが決定され、その運用が4月から始まっています。
この対策を怠っていると、あっという間に審査・個別指導・監査を経て受領委任停止処分・療養費返還請求を受け、廃業に追い込まれることにもなりかねません。
そこでまずは、制度改正に関する知識を身に付けて、万全な対策を講じるための基礎固めをしていきましょう!
2 制度改正の概要
4月からの制度改正の主な内容は、次の3点です。
①部位転がしの兆候がみられる院について重点的に調査を行う
②重点的に調査を行うために、柔整審査会や保険者の調査権限を強化する(詳細な照会による事実調査・カルテ等資料提出の要求・厚生局への情報提供)
③調査の結果客観的な証拠が複数あり不正の疑いが強いものについては、いきなり監査を行うことがある(個別指導の省略)
いずれも今後重要なポイントとなりますので、それぞれ、少しずつ詳しく見ていきましょう。
⑴ 調査対象の決め方は?
当局は、重点的調査の対象となる院(部位転がしの兆候がみられる院を、どのような基準で決めているのでしょうか。
改正案をみると、次の兆候がみられる院については重点的な調査を行う旨が明記されています。
・3部位以上の多部位施術
・3か月を超える長期施術
・月10回以上の頻回施術
・負傷と治癒を繰り返す施術
保険者・審査会・厚生局は、これらの兆候がどの程度濃厚にみられるかによって、調査・指導対象決めているといってよいでしょう。
⑵ 誰がどんな権限をもつか?
次に、②(柔整審査会・保険者の調査権限の強化)について具体的にみていきましょう。
改正案では、次のような権限強化が図られています。
・柔整審査会に、柔整師に対して報告を求める権限を認める
・保険者と柔整審査会に、領収証発行履歴や来院簿等の資料提示を柔整師に求める権限を認める
このように、従前の制度と比べて、保険者と柔整審査会の調査権限が強化されていることが分かります。
柔整師の立場から見れば、調査をする主体が増え、調査を受ける機会・可能性が増えることを意味するといってよいでしょう。
さらに、改正案では、保険者らが集めた情報をどのように使うかということについても触れられています。
保険者や柔整審査会は、次のいずれかに該当するものについて、優先的に厚生局に情報提供する
・不正請求について客観的な証拠があるものが複数患者分あるもの
・患者調査等の結果、不正請求の疑いが強いものが複数患者分(概ね10人の患者分あることが望ましい)
このように、保険者や柔整審査会が集めた情報は、不正の疑いが強いものから、厚生局に提供されるという仕組みになっています。
⑶ 厚生局の対応は?
では、そのようにして情報提供を受けた厚生局の対応は、どのようになるでしょうか。
改正案には、次のように書かれています。
・情報提供があったもののうち、不正請求が複数あるもの、不正請求の証明度が高いものを優先して個別指導、監査を行う
・証拠がそろっているものは個別指導を省略できる
このように、厚生局は、提供された情報を精査して、不正請求であることが証拠から確実にわかるもの、不正請求が複数(多数)認められるものから優先的に、個別指導・監査・受領委任取扱停止処分の対象としていくことになります。
3 どう対策すべきか?
以上が、本年4月から施行される制度改正の大まかな内容です。このような改正内容からは、当局が不正の取締に本腰を入れて取り組むという強い姿勢が見て取れます。
次号のケイズマガジンでは、今回ご紹介した制度改正の概要を踏まえたうえで、個別指導にならないためにどのように対策を立てれば良いのか、具体的な対策方法について解説いたします!
真面目に仕事をしている柔整師の皆様を応援するため、次号も最新の情報をお届けいたします!(K`s Magazine6月号より転載)
(弁護士 三谷 淳)