厚生労働省

この度、厚生労働省HPより、柔道整復師の施術に係る療養費の算定基準の実施上の留意事項等について通知 がありました。

「柔道整復師の施術に係る療養費の算定基準の実施上の留意事項等について(通知)」の一部改正について(平成28年9月30日 保医発0930第3号保険局医療課長通知)

 *抜粋
別紙の第3の6を次のとおり改める。
6 同一の建築物(建築基準法(昭和 25 年法律第 201 号)第2条第1号に規定する
建築物をいう。)に居住する複数の患者を同一日に施術した場合の往療料は、別々
に算定できないこと。ただし、やむを得ない理由があって、同一の建築物に複数回
赴いて施術した場合はこの限りではないこと。 



以上
この度、厚生労働省HPより、施術管理者の要件について周知の事務連絡がありました。
施術管理者の要件について(周知のご依頼)(平成29年6月15日 事務連絡)
 *抜粋
平成30年4月から、
柔道整復療養費の受領委任を取り扱う「施術管理者」になる場合は、
実務経験と研修の受講が必要となる方向で以下のとおり検討
■趣旨
○ 柔道整復療養費については、受領委任協定・契約により取り扱われているが、
その中において、施術所の施術管理者が、当該施術所における受領委任に係る
取扱い全般を管理することとされている。
○ 施術管理者になるには、現在は柔道整復師の資格要件のみであり、柔道整復
師の養成学校を卒業し柔道整復師となった後、直ちに施術管理者となり、施術
所を開設することも可能となっている。
○ こうした中で、柔道整復療養費に係る不正請求事案が大きな問題となってい
るとともに、資格取得後に直ちに管理者となる例は、他の国家資格をみても稀
であるとの指摘がある。
○ 療養費の給付を行う保険者からも、柔道整復師学校、養成施設にて国家資格
を取得し、卒業してすぐに施術所を開設した者が施術管理者となり、不適正な
請求をする事例が散見され、施術管理者について一定期間以上の実務経験を有
し、当該期間の施術内容・請求に問題がない場合に限る等の要件を設定するよ
う要望が出されている。
○ 施術管理者の要件として、実務経験や研修の受講を要件とすることについて
は、受領委任の取扱いに当たり、何が保険請求の対象かの判断、施術録、支給
申請書の記載の仕方など、制度の正しい理解を、受領委任を取扱っている施術
所で実際に学ぶことができるとともに、一定の研修を受講することにより、一
定の質の向上を図ることができると考えられる。
○ また、不正請求が多いと指摘されていることに鑑みれば、一定の社会人経験、
医療人としての経験を積み、倫理観を身に付ける期間や研修を設けることは、
不正対策や施術所の質の向上のために有効であると考えられる。
○ こうしたことから、新たに受領委任に係る施術管理者になる場合の要件に、
実務経験と研修の受講を加えることとすべきである。
○ なお、これは受領委任制度の施術管理者となるための要件であって、施術所
の開設や、当該施術所で行われた施術について療養費の請求を行うことを妨げ
るものではなく、あくまでも、受領委任という便宜供与を行うにふさわしい施
術管理者の要件を、受領委任の協定・契約の中で定めるものである。
■ 施術所における実務経験
○ 実務経験の期間については、専門委員会の議論において、施術者側委員から、
施術所開業の実態や経験から、3年とすべきとする意見が出され、これについ
て保険者側委員からも3年程度は必要との意見があり、3年が適当という意見
が多かった。
また、他の資格でも、管理理容師・管理美容師になるためには、免許を取得
後理美容の業務に3年以上従事することが要件とされているなどの例がある。
こうした議論を踏まえ、実務経験の期間については、後述する段階実施の実
施状況を踏まえつつ、最終的には3年とすることを軸に検討すべきである。
○ 平成29年度に養成施設の学生である者については、施術管理者の要件とし
て実務経験や研修の受講が課されるということを知らずに養成施設に入学し
た者であることから、実務経験を1年とすることについて検討すべきである。
また、平成29年度に養成施設の学生である者について実務経験を1年にす
るにもかかわらず、平成29年度よりも前に養成施設を卒業した既卒者につい
て実務経験を3年とすることは公平を欠くとともに、既卒者は現状ではいつで
も施術管理者になれたものが、実務経験を課されることとなることから、同様
に1年とすることについてあわせて検討すべきである。
具体的には、平成29年度に4年制の学校に入学した者が卒業し、1年の実
務経験が可能となる平成33年度までは、既卒者を含め、実務経験を1年とし、
その後の平成34年度、35年度は、円滑な移行の観点から、実務経験を2年
とする、段階実施について検討すべきである。
○ 柔道整復師の資格取得後の勤務先としては、施術所のほか、病院、診療所で
働く者も一定数いる現状がある。診療報酬上も、運動器リハビリテーション料
等の算定要件として、医師等の指示の下に、柔道整復師が訓練を行った場合に
は、所定の点数を算定できることとされている。
これは、柔道整復そのものを行っているものではなく、医師が柔道整復を指
導することもできないとの意見があった。一方で、医療機関において、他の医
療関係者と共同して、患者の回復のために尽くしている期間であり、医療人と
しての経験や倫理観、他の職種との連携等について習得することができる期間
と考えることができる。
また一方で、施術管理者となるためには、施術所において、柔道整復療養費
の請求や制度の正しい理解と経験を積むことも必要である。
これらを踏まえ、例えば実務経験の期間を3年とする場合、病院、診療所(指
定保険医療機関)での従事期間については、柔道整復についての実務経験では
ないが、診療報酬上、柔道整復師が従事した場合に算定できることとされてい
る運動器リハビリテーション等に従事した場合に、最長2年まで(段階実施で
実務経験の期間を2年とする間は最長1年まで)実務経験の期間として算入す
ることを認め、残りの1年以上は施術所における実務経験を求めることについ
て、関係者の意見を踏まえ検討すべきである。
○ 養成施設の卒業生の働く場(実務経験を積む場)の確保については、養成施
設での就職支援のほか、施術団体による従事者の募集情報の提供などを活用す
ることが考えられる。
○ 施術管理者の実務経験の管理については、施術管理者の新規登録の際、施術
管理者として登録される者が実務を経験した施術所又は保険医療機関の証明
書、地方厚生(支)局に届け出られた勤務する柔道整復師の情報等により実務
経験を確認し、地方厚生(支)局において施術管理者情報として管理すること
が考えられる。
■ 研修の受講
○ 研修の科目と大まかな内容について、施術管理者として適切に保険請求を行
うとともに質の高い施術を提供できるようにすることを目的として、以下のよ
うな案を基本として、検討すべきである。
(1)職業倫理について
・ 倫理
・ 社会人・医療人としてのマナー
・ 患者との接し方
・ コンプライアンス(法令遵守)
(2)適切な保険請求
・ 保険請求できる施術の範囲
・ 施術録の作成
・ 支給申請書の作成
・ 不正請求の事例
(3)適切な施術所管理
・ 医療事故・過誤の防止
・ 事故発生時の対応
・ 医療機関等との連携
・ 広告の制限
(4)安全な臨床
・ 患者の状況の的確な把握・鑑別
・ 柔道整復術の適用の判断及び的確な施術
・ 患者への指導
・ 勤務者への指導
○ 詳細については、以下のようなスケジュールで検討・準備することが考えら
れる。
(1)研修の項目・内容の確定 (~29年7月)
柔道整復師・医師・保険者・有識者等で検討
(2)テキストの作成 (~29年11月)
研修実施法人にテキスト作成委員会を設置して作成
(3)研修開始 (30年1月~)
○ 研修の実施主体は、
・ 柔道整復師の研修についての実績があり、
また、全国で統一的な研修の実施が可能
などの要件を満たす法人が行うこととすることが考えられる。また、要件を満
たす場合には複数の法人が行えるようにすることや、実施法人の一定期間ごと
の更新制について検討すべきである。
○ 研修は、受講者数も踏まえつつ、できる限り47都道府県で、年1回以上実
施することを基本として検討すべきである。
研修時間については、受講者の負担も考慮しつつ、16時間以上・2日間程
度で実施することを基本として検討すべきである。
○ 施術管理者の研修の受講の管理については、施術管理者の新規登録の際、研
修実施法人が作成した証明書により研修受講を確認し、地方厚生(支)局にお
いて施術管理者情報として管理することが考えられる。
■ 施行日
○ 厚生労働省においては、上記の考え方に基づいて、具体的な制度設計を、関
係者と調整を行いながら、早急に行うべきである。
○ 施行日については、地方厚生(支)局における実務経験の登録管理の準備や、
研修の準備の期間を考慮しつつ、できるだけ早く施行できるよう、平成30年
3月までに施行準備をし、平成30年度から施行するよう検討すべきである。
今後、新しい情報が分かり次第、こちらでお知らせいたします。