整骨院運営【連載コラム】あなたにもきっとできる!【マーケティング】実践講座「その1」

自分とは関係ないと思われがちなのが、「マーケティング」なのです。

あなたもそう感じていませんでしたか?柔整業界の規制緩和から約20年経った、治療院乱立の時代だからこそマーケティングを

マーケティングは非常に単純。その前に、あなたの考え・夢を掲げましょう!理想なきところにマーケティングは活かせません!

ケイズ会員マーケティング
専属講師 豊島 猛利
Improve代表。船井総合研究所在籍中、日本で初めて治療院コンサルティングをお披露目する。退社後、整骨院グループにて3年間で1億4千万円から2億8千万円にした実績もある。

「理念」と「ビジョン」の違いを理解する
意外とこの「理念」と「ビジョン」を一色に同じだと思ってしまう方が多いです。
経営理念とビジョンの違いをはっきりさせることからスタートしていきます。
経営理念は「考え方」で、ビジョンを「夢」と表現すると違いが少しご理解いただけますでしょうか?
経営理念が「考え方」と理解するなら、「経営の根幹に対する深い考え方」ともう少し付け加えたいと思います。
なぜならば「考え方」というだけでは、人によっては毎日変わる考え方もありますが、経営理念は一度、決まれば、そう簡単に変わるものではないからです。
企業によっては、経営理念を「社是」と呼び、300年以上も「経営理念」が変わっていない老舗企業が、あるほどです。それほど、深い考え方なのです。
一方、ビジョンは社長、オーナー、経営者の「夢」にあたるものです。経営者が会社をどのような状態にしたいのか、経営者の会社の「あるべき姿」を表現したものと言えます。
ですから経営者はビジョンを見るだけで「ワクワク」したり「やる気」が上がるのです。もしそうでないとしたら、そのビジョンは本物ではないのかもしれません。
これら経営理念とビジョンは経営に携わっている人間には最も重要な経営課題であると考えられます。
なぜ課題かと言うと、この両方ともつくった段階では、仮説でしかないのです。
実際には実現に至っていないことなのです。よって、経営理念やビジョンが決まって、初めてこれを浸透や共有させることが課題となり、実現することが経営の最重要課題になるのです。
経営者は、この違いを明確にし、意志決定を急ぐ必要があります。意志決定ができれば、あとは経営理念の浸透方法を試行錯誤しながら実践し、経営ビジョンの共有方法についても同様に実践していくのです。
あなたが、経営理念とビジョンの違いを明確に理解し、位置づけの違いをも明確になったとしても、それだけではうまくいきません。
これは重要ですので、ここで書きますが、「中期経営計画」は全社員、スタッフの協力なくして実現することは不可能です。
そこで、社員、スタッフ全員にも経営目的とも呼ばれる「経営理念」「ビジョン」の違いをわかりやすく説明することが重要になります。
経営理念とビジョンの意味や位置づけをレクチャーする内容をこれからお伝えします。
そこで、草花をイメージしていただき、その草花が花を咲かせている状態を頭にイメージします。まず創業者(あなた)は、根を生やすために土壌のよい「場所」(業界)を選定します。
そこに「種」(あなたの人生観・経営観という価値観)を植えます。そして水をやり育てますが、その際にあなたはその種が将来どんな花を咲かせるかを明確にイメージして育てていきます。
その「花」となるのが「ビジョン」にあたります。このビジョンという「花」を咲かせるために一生懸命に「種」を育てます。
すると「根」が生えてきます。高くて大きな花を咲かせるなら、「根」は多ければ多いほど良いのです。その根が「社員」なのです。短い根よりも長い根、細い根よりも太い根が必要です。創業者は種から根をたくさんつけて芽を伸ばし、やがて「葉」(事業)がいくつも生えてきて立派な「幹」ができあがります。この幹を「経営理念」と呼びます。
「種」(価値観)と「幹」(経営理念)は、微妙に違います。
価値観はあなたの生き様が凝縮された言葉です。幹たる経営理念は花を咲かせるために「種」を基盤として「太陽」(お客様)からのエネルギーを吸収する上での考え方を進化させる必要があるのです。
もちろん種(あなたの価値観)のまま、幹になる場合もありますが、それは「花」次第であろうと思います。「花」があなた一人の根で十分ならば、太くて長い幹は不必要でしょう。もし、「花」が高いところに大きなものを咲かせたいのなら、根をたくさん増やし太陽から大量のエネルギ―(お金・満足感)を吸収する必要があります。そのためには、個人の価値観から組織の価値観つまり経営理念にしなければならないのです。
経営理念は、「根」である社員からと「太陽」であるお客様から支持されるものでなければならないのです。ですから、あなたの個人の考え方をそのままに登用することは少なく、その価値観をベースに作成しましょう。
以上のように「幹」が経営理念、「花」が経営ビジョンであると会議、研修の際には説明しましょう。この説明でほとんどのスタッフの方々が理解を示していただけると思います。ぜひとも、経営理念・ビジョンの意味の違いと位置づけの違いを全スタッフに理解していただきましょう。
もちろん、あなた自身が納得のいく経営理念・ビジョンの存在が絶対不可欠であることは間違いありません。
またあなたの理念、ビジョンを浸透させるには、どれだけ教育に投資しなければ、浸透しません。
そして、次に経営者の仕事はマーケティング(戦略)の第一段階を実施します。
今回の「実践マーケティング」まとめ
経営理念は「考え方」。ビジョンは「夢」。
理念・ビジョンの浸透実現が重要課題。
経営理念とビジョンの意味や位置づけをレクチャーするイメージは「場所」「種」「幹」「花」「根」「太陽」。
理念・ビジョンを浸透させるには、教育の投資は不可欠。
(K`s Magazine6月号より転載)