整骨院運営【連載コラム】個別指導にならないために「その2」

整骨院運営【連載コラム】個別指導にならないために「その2」

立証資料を意識した隙のない対策を!

三谷 淳 みたに じゅん
未来創造弁護士法人 代表弁護士
日本一裁判しない弁護士
ケイズグループ顧問弁護士

皆さん、こんにちは!
未来創造弁護士法人 弁護士の三谷淳です。
今回は、『個別指導にならないために』の第2回目として、個別指導にならないためには具体的にどのようなポイントに気を付ければ良いのかを見ていきましょう。
1 個別指導になる院の特徴?
私達は仕事柄、個別指導に入られてしまった院からのご相談や、保険者から照会を受けた院からのご相談に接する機会多くあります。
そのようなご相談を多く受ける中で、保険者からの照会や厚生局による個別指導の対象になってしまう院には、一定の特徴があるように感じています。
どれか一つにあてはまれば照会や個別指導の対象となる、というわけではありませんが、これらの項目が重なれば重なるほど、照会や個別指導のリスクが高まると言えるでしょう。
あらぬ疑いをかけられないために、ご自身にあてはまる項目がないかどうか、チェックしてみることをお勧めします。
【リスクチェックシート】
□施設規模に比してレセプト枚数が非常に多く、その理由をキチンと説明できない
□遠方からの患者が多く、その理由をキチンと説明できない
□規則的な来院が長期にわたって続いており、その理由をキチンと説明できない
□初診時に患者から問診票を書いてもらっていない
□問診票をもらっているが、患者の署名をもらっていない
□患者の健康保険証のチェックを忘れたり、遅れることがある
□受領委任にかかる患者の署名をもらい忘れることがある
□領収書の発行が遅れてしまうことがある
□事務作業が遅れがちで、後日、記憶をたどりながら来院日に丸を付けていることがある
□来院簿を付けていない
□来院簿に患者の自筆の署名をもらっていない
・・・皆様はいくつの項目にあてはまったでしょうか?
3つ以上の項目にあてはまるという方は、保険者からの照会の対象になりやすく、また、照会があった際にキチンとした説明や証明ができない可能性が大きいといえるでしょう。
2 具体的な対策方法とは?
では、個別指導にならないためには、具体的にはどのような対策をとるべきでしょうか。
私達からは、次の3つの方法をご提案させていただいています。
【個別指導対策のポイント】
①自筆の問診票作成を徹底する
まず、初診で保険治療を開始する際に、自筆の問診票を初検の都度書いてもらうことをお勧めしています。(弊所の顧問先の皆様には、「理想の問診票」をお渡しして、導入を促しています。)
保険者から照会を受けたり、個別指導を受けたりしたときに、患者さんがどのような症状を申告し、どのような治療を希望したのかということを後から証明するのは、実は容易ではありません。
急性・亜急性・慢性の判断をどのような申告に基づいて行ったのか、当時のことを明確に証明するための資料として、自筆の問診票は強力な立証資料になります。
②自筆の来院簿作成を徹底する
次に、初検の際に自筆の問診票を書いてもらうとともに、その後の後療のための来院の都度、患者さんの自筆で、来院簿にサインをしてもらうことをお勧めしています。
保険者や厚生局からは、「本当に患者が来た分についてのみ保険請求をしているのか?」という点について、きちんとした説明を求められます。
その際、来院簿を付けていない院では、本当に患者が来院したことの証明をすることが難しく、疑いを晴らすための決定的な資料がないまま、あらぬ疑いをかけられたままとなってしまうことも少なくありません。
照会や個別指導から身を守るためには、患者さんの自筆による来院簿が強力な立証資料になります。
なお、問診票も来院簿も、患者の自筆をその都度求めるよう徹底し、「後から足さない・引かない」ということを、徹底して行うことが重要です。
もし、署名をもらい忘れたからといって、後から書き足したり、記載間違いを後から消したりしてしまうと、証拠としての価値はほとんど失われてしまいます。
そればかりか、後から改ざんを加えた疑いまでかけられるおそれもあり、悪い印象を与えてしまうことにもなりかねません。
自筆でその都度サインをもらうということを徹底できないのであれば、むしろ「来院簿はつけていません」と言った方が良いくらいです。
このような点には気を付けながら、是非、自筆の問診票・自筆の来院簿を導入されることをお勧めします。
③事務作業の遅れを最小限に!
最後に、事務作業の遅れを徹底的に排除することが、照会・個別指導に至らないためにできうる最も有効な対策法といえます。
私共の経験では、事務作業の遅れ→客観的事実と矛盾する請求が発生→照会・個別指導というパターンがかなりの数みられます。
カルテの入力・記載、領収書の作成・発行、レセプトの発行・請求、保険証の確認、受領委任の署名の徴収…などなど、施術以外にやらなければいけない事務作業は多岐にわたりますが、後回しにすればするほど、矛盾を生じ照会を受けるリスクは高まっていきます。
日々その意識・危機感をもって業務に当たり、遅れがちの場合には、事務担当を雇うなど、手当てを行うことが急務といえます。
いずれも、地道な方法に見えるかもしれませんが、これを泥臭く徹底することが重要です。
(次回予告)
次号のケイズマガジンでは、「損保会社と対等に渡り合うには?」と題して、交通事故案件における損保会社への対応方法を伝授いたします!(K`s Magazine6月号より転載)
(弁護士 三谷 淳)