整骨院運営【連載コラム】整骨院の会計・税務の特徴「その2」

高瀬 智亨 たかせ のりゆき
2009年に出版した「成功する治療院経営バイブル」は発刊から第6刷を超え、2012年に改訂版が出版されると総部数も1万部を超える。

皆さん、こんにちは。
税理士法人フォルテシア代表社員の高瀬智亨です。
前回は、「会計に出てくる名前(勘定科目)を知ろう、という事で『収入』の代表的な名前を、お伝えしました。
重要なので復習です。
①保険窓口収入(窓口で患者からもらう保険負担分の入金)
②自費窓口収入(窓口で患者からもらう保険負担分以外の入金)
③保険振込収入(保険者から保険請求額が、普通預金に振り込まれた入金)
④自賠責保険収入(損害保険会社から自賠責保険が振り込まれた入金)
⑤雑収入(整骨院の売上とは関係の無い入金)
今月は、「会計に出てくる名前(勘定科目)を知ろう、という事で『支出』の代表的な名前を、お伝えします。
この「支出」には、借入金の返済のように必要経費にならない支出もありますが、今回お伝えするのは、「必要経費」になる支出です。
会計に出てくる名前(勘定科目)と内容を知ってもらいたいのです。
それは、整骨院を経営する上で、とても重要な事なのです(理由は後でお伝えします)。
ちょっと多いですが、今は何となくわかる程度で十分です。
・衛生材料費(シップ・包帯・超  音波ゼリー・アルコール等)
・専従者給与(妻や子供に支払った給与で予め届け出ている給料手当、賞与、現物支給した費用)
・福利厚生費(従業員との慰安旅行・飲食代等)
・外注費(施術を個人や会社に業務委託している場合の費用)
・広告宣伝費(雑誌等の広告料、折込チラシ、看板の費用等)
・運賃(レセプト発送に要した宅配便代)
・衛生管理費(洗剤、クリーニング代、白衣、ダスキン、廃棄物処理代等)
・水道光熱費(事業用に使用した水道料、電気・ガス代)
・車両関連費(ガソリン代、車検代等)
・消耗品費(事務用品や器具備品 のうち10万円未満のもの
・リース料(リースを組んだ場合の支出等)
・支払保険料(治療院にかけている損害保険料や賠償責任保険料等)
・修繕費(事業用の建物や機械器具などの修繕費)
・租税公課(事業税、固定資産税、償却資産税等)
・接待交際費(取引先との飲食費 や贈答費用等)
・旅費交通費(総会や学会、研修会のための交通費、宿泊代、高速代等)
・通信費(事業用のハガキ・切手・郵送代金・電話代等)
・支払手数料(協会への手数料、振込手数料やその他の手数料等)
・諸会費(協会年会費・月会費、自治会費、組合費等)
・地代家賃(治療院の建物や駐車場を借りている場合の地代家賃)
・図書教育費(院内の新聞・雑誌、研究図書、テキスト代研修費等)
・雑費(前記以外の必要経費)
以上の「収入」と「支出の内、必要経費」の名前をお伝えしました。
そして、この名前を知ることが、整骨院経営にとても重要であることをお話しします。
整骨院の経営を続けるには、儲かっていないと続きません。
儲かるとは、収入から必要経費を引いたものが「プラス(黒字)」である必要があります。でも一時的な赤字(収入−必要経費=マイナス【赤字】)ならOKです。1年間で黒字にすれば良いからです。
次回は、「儲かる為の会計」のお話を致します。(K`s Magazine7月号より転載)
(税理士 高瀬智亨)